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投資 / 公開 2026/05/16 / 更新 2026/05/21 / みんなのお金ニュース編集部

日本の高配当株20選。商社・KDDI・東京海上を見る前に知りたい選び方

商社、KDDI、東京海上など日本の高配当株20銘柄を例に、配当利回り、配当性向、増配、減配リスク、分散の見方を整理します。

日本の高配当株20選。商社・KDDI・東京海上を見る前に知りたい選び方

日本株で配当収入を意識し始めると、最初に目に入りやすいのが「配当利回り」です。3%、4%、5%といった数字を見ると、それだけで良さそうに感じます。正直、配当が入ってくる投資は分かりやすくて楽しいです。

ただ、高配当株で怖いのは、「利回りが高いから良さそう」と思って買った直後に減配されることです。利回りが高く見える理由が、株価下落によるものなのか、利益成長と株主還元の積み上げによるものなのかで、投資判断の意味は大きく変わります。

この記事では、商社、通信、保険、金融、インフラ、消費関連などから、長期投資の調査対象になりやすい日本高配当株を20銘柄取り上げます。特定銘柄の売買をすすめるものではなく、候補を調べるときにどこを見ればよいかを整理するための記事です。

高配当株で最初に見るべきこと

  • 配当利回りが高い理由を確認する
  • 配当性向が利益に対して無理な水準ではないか見る
  • 本業の利益と営業キャッシュフローが安定しているか確認する
  • 減配した過去がある場合、その理由と回復状況を見る
  • 1業種に集中せず、景気敏感株とディフェンシブ株を分けて考える

配当利回りは、1株あたり年間配当を株価で割って計算します。便利な数字ですが、少し意地悪なところがあります。株価が下がるだけでも利回りは上がるからです。

たとえば、業績が悪くなって株価が下がり、結果として利回りだけ高く見える銘柄もあります。配当が増えているのか、利益が増えているのか、株価が下がっているだけなのか。ここを分けて見ないと、数字に引っ張られやすくなります。

商社は株主還元の中心候補

総合商社は、資源、食料、機械、エネルギー、金融、生活消費など、幅広い事業を持っています。近年は株主還元に積極的な企業も多く、高配当株を調べるときの中心候補になりやすい業種です。一方で、資源価格、為替、世界景気、投資先の評価損益などの影響を受けるため、利益が毎年きれいに伸びるタイプではありません。

三菱商事は、総合商社の中でも事業規模が大きく、資源と非資源のバランス、株主還元方針、自己株式取得の有無を確認したい銘柄です。三井物産は資源分野の存在感が大きく、市況が良い局面では利益が伸びやすい一方、市況悪化時の下振れも意識したいところです。

伊藤忠商事は非資源分野の強さが特徴で、生活消費に近い事業をどう伸ばしているかが注目点です。住友商事は幅広い事業を持つ一方、過去の損失からの回復力や事業入れ替えも確認したい企業です。丸紅は電力、食料、資源などを幅広く持ち、景気や市況に左右される部分と安定収益のバランスを見る必要があります。

通信・インフラ系は安定収益を見やすい

通信会社は毎月の通信料を中心に安定した収益を得やすく、高配当株の候補として見られやすい分野です。KDDIは通信に加えて金融、エネルギー、法人向けサービスなどの周辺事業も持ち、配当の継続性を見るうえで事業の広がりがポイントになります。

NTTは国内通信インフラの代表格です。株式分割により少額で買いやすくなったこともあり、個人投資家から見られやすい銘柄ですが、成長性、設備投資、競争環境も合わせて確認したいところです。ソフトバンクは高配当銘柄として知られますが、親子上場、財務レバレッジ、通信以外の成長投資の中身も見ておきたい企業です。

インフラに近い候補としては、INPEXや電源開発もあります。INPEXはエネルギー価格の影響が大きく、配当だけでなく資源価格と為替の感応度を意識する必要があります。電源開発は電力関連として安定性を見られやすい一方、燃料費、電力制度、脱炭素投資の負担を確認したい分野です。

保険・金融は金利と資本政策を見る

東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループ、SOMPOホールディングスは、損害保険を中心とする大手グループです。保険料収入、自然災害リスク、海外事業、政策保有株式の売却、自己株式取得などが利益と還元に影響します。保険株は配当だけでなく、資本効率をどう改善しているかを見ると理解しやすくなります。

三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループは、金利環境の影響を受けやすいメガバンクです。金利上昇は利ざや改善につながる可能性がありますが、景気後退時には与信費用が増えることもあります。銀行株を見るときは、配当利回り、自己資本比率、与信費用、海外事業のリスクをセットで確認しましょう。

その他の候補もリスクの種類を分けて見る

JTは高配当株の代表格として語られやすい銘柄です。安定したキャッシュフローがある一方、たばこ規制、健康意識、海外事業の為替影響は無視できません。オリックスは金融、リース、不動産、投資、事業運営などを持つ多角企業で、利益の内訳を確認することが大切です。

日本製鉄は景気敏感株で、鉄鋼市況や原材料価格の影響を受けます。配当が高く見えても、利益の波が大きい点を理解しておきたい銘柄です。ブリヂストンは世界的なタイヤメーカーで、景気、原材料、為替、地域別需要を見る必要があります。どちらも配当だけでなく、景気サイクルとの付き合い方が重要です。

20銘柄を一覧で整理

  • 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅
  • KDDI、NTT、ソフトバンク、INPEX、電源開発
  • 東京海上ホールディングス、MS&AD、SOMPOホールディングス
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ
  • JT、オリックス、日本製鉄、ブリヂストン

NISAで高配当株を持つときの考え方

NISA口座で配当や売却益が非課税になる点は大きなメリットです。ただし、NISA口座では損益通算ができないため、値下がりしたときの扱いも理解しておく必要があります。高配当株をNISAで買う場合は、短期の利回りよりも、長く持てる事業かどうかを重視したいところです。

高配当株は、配当金を受け取る楽しさがある一方で、株価の値下がり、減配、業績悪化のリスクがあります。1銘柄に集中せず、業種、決算期、景気感応度を分けて管理すると、配当投資を続けやすくなります。

高配当株は利回りの高さを競うものではなく、配当を続けられる力を見極める投資です。

銘柄を選ぶ前に業種を分ける

高配当株投資では、銘柄名だけを見て選ぶより、まず業種を分ける方が失敗を減らしやすくなります。商社、銀行、保険、通信、エネルギー、素材、たばこ、リースは、それぞれ利益の出方が違います。

たとえば商社や鉄鋼は景気や商品市況の影響を受けやすく、通信は比較的安定収益を見やすい一方で成長性や規制を確認する必要があります。銀行は金利上昇が追い風になることがありますが、景気悪化時の与信費用も見なければなりません。

同じ高配当でも、リスクの種類はまったく違います。配当利回りが似ているからといって、同じように保有できるわけではありません。

減配リスクをどう見るか

高配当株で最も避けたいのは、利回りの高さに引かれて買った直後に減配されることです。減配が発表されると、配当収入が減るだけでなく、株価も下がりやすくなります。

減配リスクを見る時は、配当性向、営業キャッシュフロー、過去の減配歴、中期経営計画、景気敏感度を確認します。利益が一時的に増えただけなのに配当も増えている場合、その利益が続くのかを見る必要があります。

また、記念配当や特別配当を含んだ利回りは、翌年以降に下がる可能性があります。高配当株を調べる時は、普通配当なのか、一時的な上乗せなのかも分けて確認しましょう。

分散は銘柄数だけではない

高配当株を20銘柄持っていても、すべてが景気敏感株なら分散効果は限定的です。商社、銀行、保険、鉄鋼、エネルギーに偏ると、景気後退や資源価格下落の局面でまとめて下がることがあります。

分散では、銘柄数だけでなく、業種、地域、収益構造、決算期、為替感応度を見たいところです。配当月が偏っている場合は、キャッシュフローの受け取り時期も偏ります。

長期で配当を受け取りたいなら、配当利回りの高さよりも、ポートフォリオ全体の耐久性を意識したいところです。高配当株は「持っていて安心できるか」も大事です。毎日の株価で落ち着かなくなる銘柄ばかりだと、配当を待つ前に売りたくなってしまいます。

個人的には、高配当株は派手に当てにいく投資というより、家計の脇に小さな受け取り口を作っていく投資に近いと感じます。だからこそ、利回りだけではなく、事業の強さ、減配しにくさ、分散のしやすさを見ておきたいところです。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断をする場合は、最新の決算短信、有価証券報告書、配当方針、株価水準、手数料、税金を確認してください。